沖縄の洞窟 星野洞(南大東島)

おきなわワールド

2013年03月18日 12:00

沖縄島東方400㎞に位置する南大東島には、『星野洞』(星野の穴)という観光鍾乳洞がある。
この洞窟の二次生成物の数と美しさは日本国内でも特異なものだといわれている。



星野洞1


星野洞2


星野洞3



島全体が農地改良されており観光洞入口は畑の中にある。


観光洞見学用のラジカセとライトが手渡される。
洞外の空気の流入を最小限に抑えるため、長いトンネルに扉が二箇所設けてある。
また、観光客が少ないことと洞内の保全のため、客が来たときにだけ照明を点ける。



南大東島には星野洞以外にも多くの洞窟が存在する。
島の内陸部は凹地となっており、「大池」などの池や湿地帯がある。
また、石灰岩堤が屏風のように島の周囲を囲んでおり、その地形を島の人々は「ハグ」と呼び、「幕」の字を当てている。
(ハグとは八丈島の言葉で歯茎のことで、この島を開拓した八丈島出身者が島を遠方から眺めてそのように表現したとのこと)
「ハグ」は外幕と内幕の2重の石灰岩堤で島をぐるりと囲み、外幕と内幕の間にはドリーネ、小規模のドライバレー、洞窟が発達している。
洞内に地底湖(池)を有するもののなかには、潮位の影響を受けて水位が時間差で変化するものが存在する。
フィッシャー性の竪穴もあり、深いものでは-60メートルを超える。
島の南側にある「照喜名洞№2」も-60メートルのフィッシャー性の垂直の竪穴で、洞床まで下りると地底池がある。
その地下水は海にまでつながっていると思われる。
南大東島の竪穴は洞壁が狭く、なおかつ壁面がもろい。慎重に降下しないと落石を誘発する。
落石の危険性は常につきまとうが、この島の竪穴は、どちらかといえばSRTよりもエレクトロンラダーを使ったほうが良いかと思う。(お)


南大東島の成り立ち

南大東島は水深4000m以上の深海より海面に頭を出したサンゴ礁の島で、琉球列島とは異なった島の成り立ちをもつ。
隣の北大東島では東北大学が昭和9年と11年にボーリング調査を行い、深度431メートルにまで石灰岩が存在することが分かった。
石灰岩の年代も約2,430万年前のものと測定され、その後の調査で石灰岩の厚みは約1,800メートルと推定された。


南大東島


南大東島の成因は、約5000万年前に赤道付近(ニューギニア付近)に火山島として海面に現れ、プレート運動により北西に移動しながら、島のサンゴ礁の形態を裾礁、堡礁、環礁と変化させながら、何千万年にもわたってサンゴ礁が堆積し、厚い石灰岩を形成させてきた。
現在も北西方向に年間約7cm移動していることが知られており、このままの速度で移動し続けると、約200万年後には琉球海溝に消えてしまうといわれている。


南大東島の位置



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